[9PCM]感情センターのタイプ(T2、T3、T4)について

9PCM(9つの性格と動機)は、人の性格を9つにわけて考えるエニアグラムをベースとした性格類型論です。
本記事ではセンターの3つ組のひとつ、「感情センター」に属する各タイプ(T2、T3、T4)についてまとめました。
感情(ハート)センター
◆一言でいうと:心で感じるタイプ。ストレスがかかると、自分の気持ちを優先しようとしがちです。
◆該当タイプ:タイプ2、タイプ3、タイプ4
◆潜在的感情:恥
◆時間軸:過去
◆執着:偽りの自己イメージ、自分の虚像
◆問題:アイデンティティ、敵意
◆求めるもの:(人からの)関心
感情(ハート)センターの説明
感情(ハート)センターは、素の自分に自信がなく、無価値な存在だとどこかで考えています。
自分がイメージで出している姿と、現実とのギャップを感じると傷つき、「恥」という感覚で味わいます。
本当の自分の姿、価値がない自分について人に知られたら「それは非常に恥ずかしい」のです。
ありのままの自分には価値がないと思いながら、自分に対する他者からの「関心」を得たいと強く思っています。
価値のある別の自分に成り代わろうと、何かを演じたり、人の役に立つような行動をしたり、ユニークな行動を取ったりと、「自分は何者であるのか」を明確に示すことが必要だと思っており、「何者かになるためには、自分を捨てる事も厭わない」という側面を持ち合わせています。
未来志向でと、未来のイメージにゴールを設定をしているように思われますが、時間軸としては「過去」にいます。
自分が成功した経験、失敗した経験の積重ねをイメージし、そして改変した未来像を未来と捉えている傾向があります。
好き嫌いも「自分の価値を認めてくれるかどうか」で判別しており、自分の作り出したアイデンティティを認めてくれない相手には敵意を抱くこともあります。心の奥底では、「自分のアイデンティティが単なる仮面に過ぎない」とわかっています。
自分のことを見ていて欲しいという気持ちを脇に置き、いかに本当の自分に触れるか、素の自分にいかに価値を感じられるかが鍵となります。
センターの力の向きと分類
各センターの力の使い方の方向のパターンを説明します。
力が「外向き」、「内外向き」、「内向き」の3パターンがあります。以下のとおり、各力の向きのパターンと力の使い方を説明します。
センターの 力の向き | 該当タイプ | 説明 |
---|---|---|
外向き | T2,T7,T8 | センターの力を外に出すタイプです。 |
両向き | T3,T6,T9 | センターの力を外側と内側の両方に出すタイプです。 どのタイプもそのセンターの力から最も遠ざかり、センターの力を薄く感じます。 |
内向き | T1,T4,T5 | センターの力を内向きに出すタイプです。 |
タイプ2:人を助ける人(感情センター、外向きの力)

T2のエネルギーの向きは、外向きです。
センター | スコア | 備考 |
本能センター | 2 | 本能センターのエネルギーをバランスよく使う、比較的パワフルに行動します。自分の中の他人のイメージを膨らませ、本能センターのエネルギーを外向きに出し、パワフルに行動をします。 |
感情センター | 3 | 感情センターのエネルギーを外に求め、積極的に行動し、人からの関心を得ようとします。そこにある考えは、過去にあの人がこの行動で喜んでくれたから、今回も同じ行動で喜ぶはずと、そのイメージに従い、ガンガン他者のために行動を起こしていきます。 他者のことを考えすぎるあまり、自分の体や自分の内面が疎かになる傾向があります。感情は喜怒哀楽でいうと、通常は「喜と楽」で、穏やかで喜びに満ちている風に見受けられますが、「ありがとう」という感謝の言葉が得られないと、突然、怒りや悲しみという感情を外部に出してきます。 |
思考センター | 1 | 常に自分軸ではなく、他人が欲することを考えてしまうので、そのことを追求し過ぎるあまり、未来を見据えた論理的思考が疎かになる傾向があります。そのため、短期的な自分の考えた「相手が喜ぶであろうこと」に固執し過ぎてしまうあまり、自分を見失ってしまうこともしばしば発生します。 |
※どのタイプもスコアは6ポイントで配分しています。
感情(ハート)センターに属するタイプ2も、素の自分に自信がなく、無価値な存在だとどこかで考えています。
自分がイメージで出している姿と、現実とのギャップを感じると傷つき、「恥」という感覚を味わいます。
タイプ2は、いつもニコニコと明るく穏やかな愛されキャラのような方です。
「素の自分を、誰も必要としてくれないのではないか?」という想いがどこかにあり、そして、本音では「自分はそんなにいい奴ではない」とわかっています。しかし、それを人に優しくするという外向きの行動で補っています。
自分のことを「誰も気にかけてくれず、無価値な存在だ」と心の中で思ったとしても、それを否定するために、過剰なまでのお節介を焼く事で、「こういう愛されるべき行動をすれば、私を愛してくれるに違いない」という気持ちで自分を満たしています。
人からの敵意に対しては、「そんな敵意を見せたら、自分を愛してくれない」と自分の心を、外部に出すことを封印します。
また、抑圧された内部に封印した「私を、もっとちゃんと見て!」という気持ちが爆発する事もあります。
タイプ3:達成する人(感情センター、両向きの力)

T3のエネルギーの向きは、内側と外側の両向きです。
センター | スコア | 備考 |
本能センター | 1.5 | 本能センターのエネルギーをバランスよく使うので、比較的エネルギッシュに行動します。自分の中の他人のイメージを膨らませ、本能センターのエネルギーを上手に使い、パワフルに推進力のある行動をします。 |
感情センター | 3 | 本能センターと思考センターのエネルギーをバランスよく使おうとするで、内省的に自分自身の感情に触れるということが疎かになり、常に人に対して好印象を与えるためには、どうすればよいかイメージを膨らませています。感情センターにいながら、自分の感情に触れることが苦手で、感情が欠けているように見えることもあります。 |
思考センター | 1.5 | 思考センターのエネルギーをバランスよく使うので、比較的論理的な行動を行います。感情センターは、過去のできごとや経験を映像でイメージすることが得意なので、過去のイメージを膨らませ、良かった部分は継承し、悪い部分は改変し、不安に備えます。 過去イメージを改変し、未来のことを構築するので、自分が未来思考だと思ってしまう人もいますが、タイプ3の時間軸は過去イメージがベースとなっています。 |
※どのタイプもスコアは6ポイントで配分しています。
タイプ3は「恥」の感情が非常に強く、自分の感情に触れることを最も嫌うタイプとも言えます。
本能的に感じている「今の自己イメージじゃない自分は、本当の自分じゃない」という感覚を強く持っています。
そういう事で、本当の自分に対する敵意も強く、素の自分を認めないように、理想の自分に徹し、他人や自分の心を欺きます。
本当の自分が嫌なので、何としても成功して、人の気を引こうと躍起になります。
また、自分自身の感情を説得し、時には鼓舞し、自分を脅してでもイメージ通りの人になろうと努力します。
「素の自分を殺してでも、新しいイメージ通りの自分を作り、それを本当の自分として扱う」という行動を行います。
ですが、「イメージ通りの自分という姿」も、自分自身が心の底からなりたいと思った自分ではなく、そこに第三者の影が見え隠れします。「あの人が求める姿になりたい、「あの人がすごいと認めてくれる自分になりたい」等、他人が介在していることでしょう。
スキルや力があるものの、その力を最初から欲しいと思ったわけではなく、「結果的にスペシャリストになっている」という場合も往々にしてあります。
本当の意味で、真に自分のやりたい、成りたいことがわからないという方たちです。
タイプ4:個性的な人(感情センター、内向きの力)

T4のエネルギーの向きは、内向きです。
センター | スコア | 備考 |
本能センター | 1 | 本能センターのエネルギーは比較的弱く、常に自分の内面に焦点をあて、心の感覚を振り返り、内省をしているため、行動力に欠ける傾向にあります。 |
感情センター | 3 | 自分の内面にユニークさやオリジナリティといったイメージ像があります。過去の楽しかったイメージや人と違っていたり、できなかったりした場合に嫉妬の感情を抱いたり、自己憐憫を行ったりと、心の中のアップダウンがとても激しいのが特徴です。 ちょっとした人の優しさに触れた時に、もの凄い感動したり、天気が悪かったり、ちょっとした些細なことでも自分の気分を害したり、と心のアップダウンが激しい傾向にあります。 |
思考センター | 2 | 心のアップダウンは激しいですが、繊細なイメージから思考センターのエネルギーを有効的に活用し、論理的に自分のオリジナリティや独自性がある思考を組み立てる傾向にあります。 |
※どのタイプもスコアは6ポイントで配分しています。
タイプ4は昔の自分に強く引きずられています。
その自分の過去はドラマチックに演出されていて、ジェットコースーターのように「誰からも認められなかった悲劇の主人公」という自己イメージを描き、次第に「自分は他人とは違う」という点に執着していきます。
ジェットコースターのような激しい喜びや悲しみも、自分が存在する上で無くてはならない、エッセンスと捉えているようです。
感情(ハート)センターなので、(人からの)関心を集めたいという思いはありますが、T2やT3ほど行動的で、露骨ではありません。
自分の内面に籠り、「(自分)唯一」というブランドを最重要視します。
常に「(自分)唯一」というブランドを最重要視するため、「自分は特別な存在だ」という想いを強く心の内面で感じています。
T2が「人を助けること」で、自分の存在価値を感じるタイプに対し、T4は「人から助けてもらうこと」で、自分の存在価値を感じる」タイプです。人と違ったり、T4本人に欠けているところがあって、みんなが助けてくれるような状況では、「みんなが私を助けてくれている!、やっぱり私は特別な存在なんだ!」と、思う方たちです。
自分を認めてくれない存在には、最も強烈な敵意を抱きやすいタイプで、人への嫉妬の感情を内に秘めます。
外面にはあまり出しませんが、状況によっては心の刃で人を刺す(傷つける)という事も厭わない恐いタイプでもあります。