[9PCM]MBTIと9PCM(9つの性格と動機)の違い

9PCM(9つの性格と動機)は、人の性格を9つにわけて考えるエニアグラムをベースとした性格類型論です。
本記事では、同じ性格類型論である「MBTI」と「9PCM」の違いについてまとめました。

MBTIと9PCMの違いについて

性格の定義

MBTIと9PCMは性格の定義が違います。
MBTIは、個人の心理機能(外向/内向、直観/五感、思考/感情、判断/柔軟)の16通りに分類しています。
9PCMは、動機(恐れ、欲求、自己価値等)によって、性格タイプを9つに分類しています。

MBTIでは比較的簡単に自分の性格的傾向を導き出すことができます。
MBTIの性格診断は指標(程度)感を表すのみであり、チェックの度に結果が異なる事も結構あります。

9PCMは自分の「概念」が重要で、個人が自分の性格をどのように認識しているかということが、「全て」です。
「自分が何を欲し、何を恐れ、どこに自己価値を持つのか」、これは自分自身にしか、わかりません。

しかし、一度自分の心の中核(コア)動機を理解すると、自分のタイプを見誤る事がなくなります。

MBTIの性格の分け方

MBTIの分け方はシンプルで、性格を私たちの心の傾向を機能として表現しています。
その機能をわかりやすく2分類にして、その組み合わせで性格を示しています。

機能分類説明
【方向】外向型(E)外部の世界に関心を向け、社交的で活動的な傾向にある。
内向型(I)自身の内面に集中し、考えをまとめてから行動する傾向にある。
【認知】感覚型(S)目の前の事実や実際の出来事に注意を払い、感覚的な経験に焦点を当てる。
直観型(N)感覚的な情報を超えて、新しい視点や意味を見出す傾向がある。
【判断】思考型(T)客観的な事実やデータに焦点を当て、論理的かつ分析的に判断し、原則や規範を重視する。
感情型(F)人間関係や個別の状況を考慮して判断し、感情や価値観に基づいて、好き嫌いで判断する。
【態度】判断型(J)迅速で合理的であり、明確な目標を持ち、組織的で体系的なアプローチで判断する。
認識型(P)冒険や変化を好み、柔軟に状況に適応し、柔軟的なアプローチを取る。

9PCMの性格の分け方

9PCMの分け方はシンプルで、自分の動機や自己価値が何であるかを知る事が重要となります。
9PCMでは、9つに分かれた動機の中から、「自分がどの動機に、最も支配されているか(※)」を知るところからスタートします。
※動機に紐づけられた自己価値や、恐れが何であるかと言い換えることもできます。
この動機を探ることが一番難しいので、9PCMやベースとなったエニアグラムが使いづらいと言われる所以にもなっています。。。

【各タイプの動機】

タイプニックネーム動機自己価値
T1改革する人自分なりの基準に則り、正しい間違いのないことをしたい自分は、理性的で客観的で正しい
T2人を愛する人人の役に立つことで、愛を得たい自分は、人の面倒を見る愛情深い人間である
T3達成する人成果を出して、賞賛を得たい自分は、際立っていて賞賛に値する。
T4個性的な人自分らしさを表現することで、感動を味わいたい自分は、独特で感受性が強い
T5調べる人情報を分析し、物事の本質を見極めたい自分は、理解力があり知的である
T6忠実な人責任を果たすことで、仲間として認められ安心したい自分は、信頼に値し、責任感がある
T7熱中する人いろいろな可能性に挑戦して、人生を楽しみ幸せでいたい自分は、のびのびと振る舞い幸せだ
T8挑戦する人自分の影響を行使して、存在を感じていたい自分は、力があり有能だ
T9平和をもたらす人他者と融和することで、平和なきもちでいたい自分は、穏やかで安定している


上記の動機に加え、9PCMでは性格は常に一定の所に留まるのではなく、ストレス時や成長時に違った性格になることも定義しています。
例えば、普段人と積極的に接している外交的なタイプ3が、ストレスの方向に行くとT9のように後退的になり、一人になりたい内向的な行動を起こすといった形です。

調子の良い状態と調子の悪い状態では、思っている事と行動は異なりますが、人の本質は変わりません。
人から見える行動ではなく、自分をきちんと内省しないとタイプが定まらないのです。
気持ちの浮き沈みも説明できるようになるのが、9PCMの強味です。

そのため、9PCMを理解した時には、これ程使いやすい性格タイプ論はありません。
今日は、堕ちてるなぁなど、9PCMで理解と説明がつけられるようになります。

9PCMでは、本当の自分の性格を理解する上で、たくさんの3つ組があります。

  • 社会への働きかけ方(社会的スタイル)
  • 問題発生時の咄嗟の反応(ハーモニクス)
  • 関心を持つ領域(センター)

など、複数の分類があり、自分のタイプを決めるのにフィルターとして役立つ概念が用意されています。

9PCMは複雑度が高いですが、9PCMに取り組むことで、自己理解や他者理解を深めるツールとして、きっとあなたの役に立つことでしょう。