[9PCM]統合とストレスの方向について

9PCM(9つの性格と動機)は、人の性格を9つにわけて考えるエニアグラムをベースとした性格類型論です。
本記事では、「動機とストレス」の方向についてをまとめました。
統合とストレスの方向について
統合とストレスの方向とは、各タイプが成長やストレスを受けるときにどのように変化するかを示しています。
9PCMのタイプは、9つの性格パターンに分かれていますが、これらのタイプには「統合の方向」と「ストレスの方向」が存在し、それぞれに特定の性格的な変化が現れます。
統合の方向とは
統合の方向とは、個人が成長してより、健康的な状態になるときの傾向です。
例えば、タイプ1(改革する人)は通常時は、完璧になるよう細部まで徹底的にこだわろうとする人ですが、統合の方向でタイプ7(熱中する人)のように、物事について柔軟で、楽しさや未来の可能性を見出すことができるようになります。
タイプ3(達成する人)は通常時は、達成に向かって自分にも他人にも厳しく接する面がありますが、統合の方向では、タイプ6(忠実な人)のように、人に対して優しく振る舞うことができるようになります。
統合は、自己の最も良い部分を引き出し、ポジティブな変化を促進します。
ストレスの方向とは
ストレスの方向は、分裂の方向という事もあります。
個人が困難やプレッシャーを感じたときに、無意識に不健康な方向へ向かうと表出する傾向です。
例えば、タイプ1はストレスの中で、タイプ4(個性的な人)の否定的な特性を示し、過剰に自己憐憫に陥るといったような行動をします。タイプ5(調べる人)はストレスの中で、タイプ7(熱中する人)のように過剰に分散的な行動をすることがあります。
ストレスの影響を受けると、各タイプはその不安や不満から逃れるために、典型的な反応を示します。
統合とストレスの方向は、自己理解を深め、成長や調和を促進するための有益なガイドとなります。
統合とストレスの方向について
各タイプの「統合の方向」と「ストレスの方向」は、以下の表のとおりです。

タイプ1
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T7:熱中する人 | T1:改革する人 | T4:個性的な人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ7のポジティブさと柔軟性を取り入れ、楽しみとバランスを見つけます。 規律と楽しみを両立させ、リラックスすることができます。 | 通常は何事も「こうあるべき」という理想を持ち、完璧にこなそうとする人に見える。 | ストレス下では、タイプ4のネガティブな特性を示し、自己批判や絶望感に陥ります。 |
タイプ2
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T4:個性的な人 | T2:人を助ける人 | T8:挑戦する人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ4の自己認識と感情の深さを取り入れ、自分自身のニーズを理解して、相手とバランスの取れた関係を築きます。 | 通常は、いつも周りの人のことを優先で考え、自分のことは後回しにしてしまう人です。 | ストレス下では、タイプ8のネガティブな特性である、支配的で攻撃的な特性を示します。 |
タイプ3
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T6:忠実な人 | T3:達成する人 | T9:平和をもたらす人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ6の人との調和や協力性を取り入れ、チームワークと信頼関係を重視します。自己認識を深め、持続可能な成功を追求します。 | 通常は、目的を達成するまでのイメージをはっきりと持ち、目的を達成することで、自分の価値を上げようとする人 | ストレス下では、タイプ9の無気力さや回避傾向を示します。 |
タイプ4
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T1:改革する人 | T4:個性的な人 | T2:人を助ける人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ1の倫理感と整然とした特性を取り入れ、自分の感情を整え、建設的な行動を取ることができます。 | 通常は、自分らしさを最優先し、自分の世界に浸りながら「自分は特別な才能を持っている」と考えている人です。 | ストレス下では、タイプ2のネガティブな特性である、過剰な自己犠牲や人からの承認欲求が強くなる傾向を示します。 |
タイプ5
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T8:挑戦する人 | T5:調べる人 | T7:熱中する人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ8の自信と決断力を取り入れ、行動力と影響力を発揮します。知識を実践に活かすことができます。 | 通常は、目の前で起きていることを理論的に説明したいという想いが強く、そのための情報収集に時間をかける人です。 | ストレス下では、タイプ7の逃避行動や注意散漫さを示します。 |
タイプ6
統合 | 通常 | ストレス | |
---|---|---|---|
タイプ | ![]() | ||
タイプ | T9:平和をもたらす人 | T6:忠実な人 | T3:達成する人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ9の平和と安定を取り入れ、自己信頼を深め、安心感を持つことができます。 | 通常は、責任感があり、周りの人を大切にしるタイプの人です。 | ストレス下では、タイプ3の過度な競争心や自己評価への依存を示します。 |
タイプ7
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T5:調べる人 | T7:熱中する人 | T1:改革する人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ5の洞察力と集中力を取り入れ、深い知識と持続的な満足感を追求します。 | 通常は、楽しいことが大好きで、元気で前向き、現実的で頭の回転が速く、失敗を恐れずに色々なことにチャレンジする人です。 | ストレス下では、タイプ1の自己批判や厳格さを示し、細かいことを気にするようになります。 |
タイプ8
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T2:人を助ける人 | T8:挑戦する人 | T5:調べる人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ2の思いやりとサポートを取り入れ、他者との協力と支援関係を築きます。 | 通常は、パワフルで積極的にいろいろな事に挑戦し、威厳があって存在感がある人です。 | ストレス下では、タイプ5のように自分の内に引きこもったり、過度な分析をするようになります。 |
タイプ9
統合 | 通常 | ストレス | |
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タイプ | ![]() | ||
タイプ | T3:達成する人 | T9:平和をもたらす人 | T6:忠実な人 |
概要 | 統合の方向に行くとタイプ3の目標達成力とモチベーションを取り入れ、自分の意欲と価値を高めます。 | 通常は、争いことが嫌いで、のんびりしていて控えめな人の支えとなるような人。 | ストレス下では、タイプ6の不安感や疑念を示します。 |
統合とストレスの方向の覚え方(図解)
統合とストレスの方向を覚えたいという方もいると思いますので、参考までに覚え方を図解で解説します。
統合とストレスの方向の覚え方は、エニアグラムの図を使うのが一番説明しやすいので、この図を使って説明します。
エニアグラムの図は、タイプ9を頂点に各タイプを9分割で、右回りに配置しています。
各タイプから伸びる2本の線が、各タイプの統合と分裂の方向を表しています。
青い線が「統合の方向」、赤い線が「ストレスの方向」を表します。

各タイプの統合とストレスを表す方向は、下記図の「赤い三角形」と「オレンジの変六角形」に分けることができます。

三角形のタイプは、T3、T6、T9で構成されていて、「統合の方向」は、T3→T6→T9→T3 で遷移します。
ストレスの方向は、上記の逆方向になります。
変六角形のタイプは、T1、T4、T2、T8、T5、T7で構成されています。
この並びは、「1 ÷ 7」、「2 ÷ 7」、「3÷7」・・・・など、 数を7で割った時に発生する循環小数の並びです。
1→4→2→8→5→7→1 の循環で、「左:統合方向」、「右:ストレス方向」に遷移します。
三角形と、変六角形のとおり、各タイプの遷移方向を表にすると以下のとおりです。
