[9PCM]各タイプの動機について

9PCM(9つの性格と動機)は、人の性格を9つにわけて考えるエニアグラムをベースとした性格類型論です。
本記事では、「動機とは何か」をまとめました。
また、「9PCM」における各タイプの動機も紹介いたします。
各タイプの動機について
動機の定義
人間には、「意識」と「無意識」の領域があって、普段行っている「行動」の裏には必ず「動機」があるとされています。絵で表すと以下の氷山モデルのような感じです。

「動機」は、その態度や行動を起こす源なる心の内にある欲求です。
「動機」性格タイプを決めるもので、人が意思決定をしたり、行動を起こしたりする直接の要因となります。また、「動機」は「根源的恐れ」と「根源的欲求」に根差しています。
「根源的欲求」を「動機の源」と捉えることもできます。
動機を元に習慣的に行っている行動が、性格を形成していきます。
9PCMでは、人の動機が9つに分かれるとしています。
各タイプによって、9つの異なった個性の違いを際立たせます。
9つの異なった動機の差で、表面に見える行動に違いが出てきます。
表面的に見える行動が、同じ行動をしていても、動機が異なると性格タイプが同じとは言えません。
例えば、「つい、このメーカーの商品を買ってしまう」といった場合でも、
・カッコ良いから。
・使い勝手が良いから。
・安全性が確保されているから。
・デザインが個性的で、私らしいから。
など、心の内側の動機は人それぞれ異なっているものです。
各タイプの動機と自己価値、根源的恐れと根源的欲求
各タイプの動機と自己価値は、以下のとおりです。
動機は根源的恐れと、根源的欲求に根差しており、根源的欲求は動機の源と言えます。
動機の違いが、価値観を生み、個性の違いを際立たせます。
タイプ | ニックネーム | 動機 | 自己価値 | 根源的恐れ | 根源的欲求 |
---|---|---|---|---|---|
T1 | 改革する人 | 自分なりの基準に則り、正しい間違いのないことをしたい | 自分は、理性的で客観的で正しい | 自分が邪で間違っていること | 正しく、一貫性がありたい |
T2 | 人を助ける人 | 人の役に立つことで、愛を得たい | 自分は、人の面倒を見る愛情深い人間である | 愛されず求められないこと | 愛されていると感じていたい |
T3 | 達成する人 | 成果を出して、賞賛を得たい | 自分は、際立っていて賞賛に値する。 | 自分に価値がなく、拒絶されること | 価値ある存在で受け入れられたい |
T4 | 個性的な人 | 自分らしさを表現することで、感動を味わいたい | 自分は、独特で感受性が強い | 主体意識や存在意義をもてないこと | 自分自身であることの存在意義を見出したい |
T5 | 調べる人 | 情報を分析し、物事の本質を見極めたい | 自分は、理解力があり知的である | 無能で役立たずで、圧倒されること | 能力があり、役に立ちたい |
T6 | 忠実な人 | 責任を果たすことで、仲間として認められ安心したい | 自分は、信頼に値し、責任感がある | 支えや導きを失い、自立できないこと | 安全と支えを得たい |
T7 | 熱中する人 | いろいろな可能性に挑戦して、人生を楽しみ幸せでいたい | 自分は、のびのびと振る舞い幸せだ | 必要なものを奪われ、痛みを伴うこと | 幸せで満足していたい |
T8 | 挑戦する人 | 自分の影響を行使して、存在を感じていたい | 自分は、力があり有能だ | 他人に支配され、侵害されること | 自分を守りたい |
T9 | 平和をもたらす人 | 他者と融和することで、平和なきもちでいたい | 自分は、穏やかで安定している | つながりを失い、バラバラになること | こころの平穏を維持したい |
自分の動機を特定する方法例
わかりやすく簡単な方法だと、自分の行動に「なぜなぜ分析」をするという方法があります。
例えば、「ついフリクションのボールペンを買ってしまう」という人の行動を「なぜなぜ分析」していくと以下のようになります。
・フリクションを買ってしまう。→ なぜ?→ やり直しができる。
・なぜ、やり直しができるのが、良いのか? → 失敗を避けられるから。
・なぜ、失敗を避けるのか? → 失敗はカッコ悪い。
・なぜ、カッコ悪いのがダメなのか? → カッコ悪いと人に見下される感じがする。
・なぜ、人に見下されるとダメなのか → 見下されると、「いいね」と言われない。
・なぜ、「いいね」と言われたいのか。 → 自分が認められた気がして、気分がいい。
・なぜ、自分が認められることが、気分がいいのか。 → 自己価値が満たされる気がする。。。。
結論としては、上記の例はタイプ3の方の例ですが、5回以上繰り返し質問することで、見えてくることがあります。
最初の出だしの質問によっては、「なぜ?」の回答が続かないこともありますので、複数の質問を起点に、「なぜなぜ分析」をしてみてください。
複数の質問をすることで、その共通点が見えてくることでしょう。
最後に
自分の動機を正しく確認するためには、チェックシートや本から判断するのではなく、有識者のワークを通じて、認識する方法が確実です。
日本エニアグラム学会のプライマリーコースは誰でも受講可能で、座学だけでなく様々なアプローチで、ご自身の動機に迫るワークショップを行なってくれます。
プライマリーコース(日本エニアグラム学会)のリンクは以下の通り。
※9PCMのワークショップは、現在準備中です。
9PCM(9つの性格と動機)を通じて他人の性格タイプを理解することで、コミュニケーションの質を向上させることができます。
他人の行動や思考の背後にある動機やニーズを理解し、より効果的なコミュニケーションを築くことができます。
自分のタイプだけでなく、他人のタイプを知ることで、ストレスへの対処法や冷静な判断ができるようになります。
自身のストレス反応や不健全な行動パターンを認識し、より建設的な方法でストレスを管理することもできます。
9PCMを学んで自身の欲求やニーズを把握することで、より意味のある目標が設定できるようになり、自己モチベーションを高めることができます。自身のタイプに合わせた活動や環境を選ぶことで、より充実した人生を送ることができます。
9PCMは、人間関係や個人の成長に関する理解を深めるためのツールとして役立ちます。
ただし、タイプは一つの枠に固定されるものではなく、個人の成長や状況によって変化することを忘れないようにすることも大事です。
9PCMを学んで、人間関係に良い変化を与えてみてはいかがでしょうか。