[9PCM]3つのセンター(本能・感情・思考)について

9PCM(9つの性格と動機)は、人の性格を9つにわけて考えるエニアグラムをベースとした性格類型論です。
本記事では3つ組のひとつ、「センター」についてまとめました。

[9PCM]3つのセンター(本能・感情・思考)について

センターとは

9PCMでは、人はだれでも、本能・感情・思考の3つエネルギーを持っているとしています。
調子のよい時はこの3つのエネルギーを使っていますが、ストレスがかかると自分が一番頼りにしている得意なエネルギーをより使います。
人がどのエネルギーを一番頼りにしているかで、各性格タイプを「本能(ガッツ)センター」、「感情(ハート)センター」、「思考(ヘッド)センター」の3つのセンターに分類しています。

各センターでは、目的(潜在意識)や時間感覚、反応の仕方が大きく異なります。
センターとは性格の中心になりやすい部分であり、同時に歪みや問題の根本にもなりやすい点です。

本能(ガッツ)センター

◆一言でいうと:本能で働くタイプです。ストレスがかかると、動くことをしようとしがちです。

◆該当タイプ:タイプ8、タイプ9、タイプ1

◆潜在的感情:怒り

◆時間軸:現在、今この瞬間

◆執着:周囲のコントロール、抵抗

◆問題:攻撃、抑圧

◆求めるもの:自立、境界、コントロール

本能(ガッツ)センターの説明

本能(ガッツ)センターは「本能、体、生命力」といった原始的な部分と深く関わりを持っているセンターです

直感や動物的感覚が優れており、基本的に単純明快な思考を好みます。
自分の意思や好き嫌いがハッキリしていて、あれこれ考えるより「自分はこうしたい」と感覚で決断して行動する人たちです。
非常に生命力が強く、エネルギーが強いタイプで、「今この瞬間」を生きている方たちです。
その場の自己主張においては、大概他のセンターを圧倒します。

本能センターの「自立」とは自分のフィールドを形成して、他者をフィールド内に入らせないことです。
自分の領域内に他人が土足で入り込んでくることを嫌がります。境界意識があり、世界と自分を分断しようとします。
分断することによって自分を認識し、そこから世界と関わろうとするのです。

裏表がなくどっしりとして安定感があります。
しかし、他人の事情を考慮せず、ハッキリ言ってしまうなど、裏表のなさが逆に災難につながる事もあります。
不健全になればなるほど、頑固になったり、自分の意見を譲らなかったり、「自分の意見が世間の総意」というような振舞をすることもあります。

感情(ハート)センター


◆一言でいうと:心で感じるタイプ。ストレスがかかると、自分の気持ちを優先しようとしがちです。

◆該当タイプ:タイプ2、タイプ3、タイプ4

◆潜在的感情:恥

◆時間軸:過去

◆執着:偽りの自己イメージ、自分の虚像

◆問題:アイデンティティ、敵意

◆求めるもの:(人からの)関心

感情(ハート)センターの説明

感情(ハート)センターは、素の自分に自信がなく、無価値な存在だとどこかで考えています。
自分がイメージで出している姿と、現実とのギャップを感じると傷つき、「恥」という感覚で味わいます。
本当の自分の姿、価値がない自分について人に知られたら「それは非常に恥ずかしい」のです。
ありのままの自分には価値がないと思いながら、自分に対する他者からの「関心」を得たいと強く思っています。
価値のある別の自分に成り代わろうと、何かを演じたり、人の役に立つような行動をしたり、ユニークな行動を取ったりと、「自分は何者であるのか」を明確に示すことが必要だと思っており、「何者かになるためには、自分を捨てる事も厭わない」という側面を持ち合わせています。

未来志向でと、未来のイメージにゴールを設定をしているように思われますが、時間軸としては「過去」にいます。
自分が成功した経験、失敗した経験の積重ねをイメージし、そして改変した未来像を未来と捉えている傾向があります。

好き嫌いも「自分の価値を認めてくれるかどうか」で判別しており、自分の作り出したアイデンティティを認めてくれない相手には敵意を抱くこともあります。心の奥底では、「自分のアイデンティティが単なる仮面に過ぎない」とわかっています。

自分のことを見ていて欲しいという気持ちを脇に置き、いかに本当の自分に触れるか、素の自分にいかに価値を感じられるかが鍵となります。

思考(ヘッド)センター


◆一言でいうと:頭で考えるタイプ。ストレスがかかると、考えることをしようとしがちです。

◆該当タイプ:タイプ5、タイプ6、タイプ7

◆潜在的感情:不安

◆時間軸:未来

◆執着:戦略・信念

◆問題:不安、心配

◆求めるもの:安全

思考(ヘッド)センターの説明

思考センターは良くも悪くも頭で色々と考え、アタマ(理屈)で「こういうものだ」と決めつけてしまうところがあるタイプです。
目先の物事だけでなく、様々な可能性や今後起こりうる物事を2手も3手も先まで、あれこれと考えてしまうのが思考センターの特徴です。

意識の時針は未来へ向いています。将来、何が起こるかわからない不安や自分に降りかかるかもしれない危険に対して、防護策としてあれこれと考え、常に未来に対する不安に備えることで安心を得ようとしています。

未来に起こりえる色々な可能性や選択肢は、勝手に頭の中に浮かんでしまうので、とにかく不安がつきものになるタイプです。
アタマの中で、ぐるぐると様々なことを考え過ぎて、頭がパンク寸前まで悩むのが思考センターの素の性格になります。

悩むのが好きというわけではなく、直ぐにあれこれとアタマの中に浮かんでしまう。
それでも考えることをやめられない、悩むのが好きかどうかに限らず止まらない、止められない。

ですので、思考センターは、心の底では揺らがないための支えを欲しています。
自分を不安から守ってくれる、自分の代わりに完璧な選択をしてくれる、など、自分の人生を不安から守ってくれる心の拠り所を求めています。自分の気持ちを落ち着かせるために、あるがままに物事を受け入れて、雑念を取り払い、自分や周囲の物事を見つめ直す静かな時間が必要なタイプと言えるでしょう。

センターの力の向きと分類

各センターの力の使い方の方向のパターンを説明します。
力が「外向き」、「内外向き」、「内向き」の3パターンがあります。以下のとおり、各力の向きのパターンと力の使い方を説明します。

外向き

センターの力を、外に使うタイプです。
とてもパワフルにセンターの力を使っているように見えます。
通常時は、内面にアクセスするよりも外向きに走るため、通常の状態では内面を振り返ることは苦手です。

両向き

センターの力を、内と外の両方に使うタイプです。
内側と外側の両面を使っているため、所属するセンターの力に触れることが疎かになります。
ガッツセンターに所属するT9なら、力を行使する素振りせず、本能的で無いように見えます。
ハートセンターに所属するT3なら、自分の感情に触れることが苦手で、冷淡に見えます。
ヘッドセンターに所属するT6なら、人に聞いてばかりで、思考を使っていないように見えます。

内向き

センターの力を、内に使うタイプです。
センターの力を内向きに使用するため、内省している時間が多く、行動は控えめに見えます。

まとめ

センターの
力の向き
該当タイプ説明
外向きT2,T7,T8センターの力を外に出すタイプです。
両向きT3,T6,T9センターの力を外側と内側の両方に出すタイプです。
どのタイプもそのセンターの力から最も遠ざかり、センターの力を薄く感じます。
内向きT1,T4,T5センターの力を内向きに出すタイプです。

センターの3つ組

「センターの該当タイプ」と「センターの力の向き」の3つ組の組み合わせで、性格タイプは9タイプに分類すると以下のようになります。

タイプセンターセンターの
力の向き
説明
T8本能(ガッツ)
センター
外向き
自⇒他


「自立、境界、コントロール」を維持するため、外に力を向ける。
※他人に力を向け、力の行使でコントロールを図る。
T9本能(ガッツ)
センター
両向き
自⇔他
「自立、境界、コントロール」を維持するため、内、外両方に力を向ける
※自分の平和と外との調和を図る。自分自身の力からは、遠ざかる
T1本能(ガッツ)
センター
内向き
自⇐他
「自立、境界、コントロール」を維持するため、内に力を向ける
※内側に力を抑制する(怒りのパワーをため込む)
T2感情(ハート)センター外向き
自⇒他
「(人からの)関心」を維持するため、外に感情を向ける
※人にやさしくし、関心を引く
T3感情(ハート)センター両向き
自⇔他
(人からの)関心を維持するため、内、外両方に感情を向ける
※自分と他人を比較し、達成を求める。自分自身の感情から遠ざかる
T4感情(ハート)センター内向き
自⇐他
(人からの)関心を維持するため、感情の内側にこもる
※内側にこもり、空想にふける
T5思考(ヘッド)
センター

内向き
自⇐他
「不安」を解消するため、内側に思考を向ける
※自分の中で理屈で整理する
T6思考(ヘッド)
センター
両向き
自⇔他
「不安」を解消するため、内、外両方に思考を向ける
※人の顔色をうかがう。自分自身の思考から遠ざかる。
T7思考(ヘッド)
センター
外向き
自⇒他
「不安」を解消するため、外側に思考を向ける
※外の楽しい世界に、思考を向ける。