[9PCM]思考センターのタイプ(T5、T6、T7)について

9PCM(9つの性格と動機)は、人の性格を9つにわけて考えるエニアグラムをベースとした性格類型論です。
本記事ではセンターの3つ組のひとつ、「思考センター」に属する各タイプ(T5、T6、T7)についてまとめました。
思考(ヘッド)センター
◆一言でいうと:頭で考えるタイプ。ストレスがかかると、考えることをしようとしがちです。
◆該当タイプ:タイプ5、タイプ6、タイプ7
◆潜在的感情:不安
◆時間軸:未来
◆執着:戦略・信念
◆問題:不安、心配
◆求めるもの:安全
思考(ヘッド)センターの説明
思考センターは良くも悪くも頭で色々と考え、アタマ(理屈)で「こういうものだ」と決めつけてしまうところがあるタイプです。
目先の物事だけでなく、様々な可能性や今後起こりうる物事を2手も3手も先まで、あれこれと考えてしまうのが思考センターの特徴です。
意識の時針は未来へ向いています。将来、何が起こるかわからない不安や自分に降りかかるかもしれない危険に対して、防護策としてあれこれと考え、常に未来に対する不安に備えることで安心を得ようとしています。
未来に起こりえる色々な可能性や選択肢は、勝手に頭の中に浮かんでしまうので、とにかく不安がつきものになるタイプです。
アタマの中で、ぐるぐると様々なことを考え過ぎて、頭がパンク寸前まで悩むのが思考センターの素の性格になります。
悩むのが好きというわけではなく、直ぐにあれこれとアタマの中に浮かんでしまう。
それでも考えることをやめられない、悩むのが好きかどうかに限らず止まらない、止められない。
ですので、思考センターは、心の底では揺らがないための支えを欲しています。
自分を不安から守ってくれる、自分の代わりに完璧な選択をしてくれる、など、自分の人生を不安から守ってくれる心の拠り所を求めています。自分の気持ちを落ち着かせるために、あるがままに物事を受け入れて、雑念を取り払い、自分や周囲の物事を見つめ直す静かな時間が必要なタイプと言えるでしょう。
センターの力の向きと分類
各センターの力の使い方の方向のパターンを説明します。
力が「外向き」、「内外向き」、「内向き」の3パターンがあります。以下のとおり、各力の向きのパターンと力の使い方を説明します。
センターの 力の向き | 該当タイプ | 説明 |
---|---|---|
外向き | T2,T7,T8 | センターの力を外に出すタイプです。 |
両向き | T3,T6,T9 | センターの力を外側と内側の両方に出すタイプです。 どのタイプもそのセンターの力から最も遠ざかり、センターの力を薄く感じます。 |
内向き | T1,T4,T5 | センターの力を内向きに出すタイプです。 |
タイプ5:調べる人(思考センター、内向きの力)

T5のエネルギーの向きは、内向きです。
センター | スコア | 備考 |
本能センター | 1 | 本能センターのエネルギーは比較的弱く、常に自分の内面で思考を振り返り、内省をしているため、行動力に欠ける傾向にあります。 |
感情センター | 2 | 自分の感情は、あまり顔色に出しませんが、人の感情の動きを理屈として、捉えて把握しています。 パワー不足な自分が、行動を起こせば、失敗して恥をかくかもしれないと負の感情も理解しています。 |
思考センター | 3 | 不安に立ち向かうため、アタマはいつも思考し、不安を払拭するための可能性を探っています。 理屈が分かると、その不安は現実的に小さくなるので、別の不安の対処を次から次に考え、知識を内側に蓄えます。 |
※どのタイプもスコアは6ポイントで配分しています。
思考(ヘッド)センターに属するタイプ5も、センターの特性上、不安を抱えやすいタイプです。
タイプ5は、内向的でエネルギーは内向きになりやすく、不安に対しては基本的に「独力でなんとか立ち向かおう」と正面から直視しようするタイプです。そして、「不安を払拭できる可能性があるものはなんでも集めよう」とし、知識を内にため込みます。
タイプ5は、自分でパワー不足と認識しているため、行動をするための知識をため込みますが、自分のアタマの中で解決した後は、「安全地帯に引きこもる」など、目の前の不安に押しつぶされた結果、行動に移さず傍観することが多いです。
タイプ5の裏にある思考では「自分はこの世間でまともに生き残れない」という強烈な無力感があり、問題に当たると逃げや篭城という手段を取りがちで、「確実に勝てるようになってからまた出直そう」「とにかく力を蓄えよう」といったように考え、結果として傍観者になってしまいます。
極端な無力感に苛まれたタイプ5は、自分以下と感じた存在を見つけると、徹底的に攻撃をしてしまうというような恐い面もあります。
タイプ6:忠実な人(思考センター、両向きの力)

T6のエネルギーの向きは、内側と外側の両向きです。
センター | スコア | 備考 |
本能 センター | 1.5 | 本能センターと感情センターのエネルギーをバランスよく使い、人の関心を理解し、人を気遣うやさしい行動が行えます。 ただし、不安が先に立つので、責任を取って自分で推進するという行動の取り方はしません。 |
感情 センター | 1.5 | 本能センターと感情センターのエネルギーをバランスよく使い、人の関心を理解し、人を気遣うやさしい行動が行えます。 ただし、不安が先に立つので、助けたり、役に立つという印象を与えておけば、困ったときに自分を助けてくれるかもしれないと、意外と打算的に考えた行動をしています。 |
思考 センター | 3 | 感情センターと本能センターのエネルギーをバランスよく使おうとするで、その分思考センターの内省的に思考エネルギーを自分に向けるということが疎かになり、常に外部に対して不安の感情を抱いています。 思考センターにいながら、自分で考える事を放棄し、人の言う事を鵜呑みにしたり、これに任せておけば大丈夫と、自分の心の拠り所に(自動的に)従った行動や思考を行います。 |
※どのタイプもスコアは6ポイントで配分しています。
タイプ6は思考(ヘッド)センターの中でも特に不安を感じやすく、自分の中にある不安を直視するのが非常に難しい方たちです。
アタマの中で、不安という感覚に支配されながら、「そんなもの感じない!」と強固に主張したり、「これに任せておけばよい!」と思えるような人生のバイブルに依存することで不安から目を逸らしたり、なかった事にしようとします。
タイプ6は、基本的に自分の能力や性格に自信がないため、自分で思考することを放棄しがちで、心の拠り所になる人の意見を鵜呑みにしたり、仲間やルールに従っておけば大丈夫と、心の拠り所となる自分を守ってくれそうな人や物を常に探しています。
不安になった時には、パニックに近い行動を見せる場合があります。
ある時突然、「何か失敗してしまったかも!?」、「きっと嫌われた!孤立する!?」、「やばい、責められる!」と外界に対して不安を抱いてしまった時に、今まで拠り所にしていた人や存在を手のひらを返したように敵視したり、自分の内側へ引きこもる事で外部への不安に対処しようとします。
不安に対処しようとする際に、自分の内側に引きこもり、自分一人で課題だけに集中したりすることもあります。
しかし、人から離れる事で、今度は自分の無力感や「自分一人でやっていたら、受け入れてもらえないかも」という新たな不安がまた湧いてきてしまい、再び自分の外側の世界へ出ていき、また別の心の拠り所を探し求めてしまう。。。という様な感じで、自分の「内側の世界」と「外側の世界」の両方をせわしなく、慌ただしく行ったり来たり、しています。
所属するグループや組織、会社なのかは人によって変わりますが、大抵何かを「信じれば救ってくれる」と何かの神様のように深く信仰しており、異教徒と思しき人を見つけると、徹底的に攻撃して、信じるものの正当性を守ろうとすることで、自分の忠誠心を見せようとする人もいます。
タイプ7:熱中する人(思考センター、外向きの力)

T7のエネルギーの向きは、外向きです。
センター | スコア | 備考 |
本能センター | 2 | 本能センターのエネルギーをバランスよく使い、比較的パワフルに行動します。 自分の中の理屈や楽しいイメージを膨らませ、パワフルに行動をします。 |
感情センター | 1 | 感情センターのエネルギーは比較的に弱く、人からの関心を欲するという欲求が薄いです。 そのため、人の感情を感じ取る力が弱く、人への配慮を行うことが少し苦手です。 |
思考センター | 3 | 不安に立ち向かうため、アタマはいつも思考し、不安を払拭するための可能性を探っています。 不安を払拭するものは、自分の内側になく、外部の世界にしか存在しないと思い、積極的に外部に思考を向けます。 新しいものに物怖じせず、積極的に行動します。 ひとつの事に集中するというより、次々に新しいことに目を向けるので、器用貧乏になりやすいのもこのタイプです。 |
※どのタイプもスコアは6ポイントで配分しています。
思考(ヘッド)センターに属するタイプ7も、センターの特性上、不安を抱えやすいタイプです。
タイプ7が感じやすい不安としては、「今を逃すと永遠にこのチャンスはやってこないかもしれない」、「このチャンスを逃せば、やれる(可能性)が減ってしまうかもしれない」という未来に対する不安です。
基本的なポリシーとしては、自分の楽しい事は最大限、つまらない事は最小限という考えで動いています。
不安なんて感じてなさそうな明るく陽気な姿も、何にでも飛びつく好奇心旺盛で積極的な姿勢も、「今しかない!」という強迫観念がそうさせていると、過言ではありません。
自身の暗い負の部分を、見つめないようにしているのも大きな特徴のひとつです。
真面目な相談や、失恋した仲間の気持ちにもあまり共感をすることはありません。
そういった行動は、暗い話を聞くことで、「自分が避けていた不安に触れてしまうかも」という恐れから来ていたりします。
また、頭の中が騒がしいタイプで、いろいろな所に思考が散らかっていれば、あえて「自分の負の部分を見つめなくても良い」ということもあるでしょう。
不安からとことん逃げ回っているなかで、目新しいものや、楽しそうに見えるものに積極的に飛び込み、行動するので経験値が高くなります。結果として経験値が高いので、中途半端ではありますが、色々器用に対応できてしまうのもタイプ7の特徴です。