[9PCM]後退型のタイプ(T4、T5、T9)のまとめ!

9PCM(9つの性格と動機)は、人の性格を9つにわけて考えるエニアグラムをベースとした性格類型論です。
本記事では社会的スタイルの「後退型」に属する各タイプ(T4、T5、T9)についてまとめました。
後退型について
後退型とは
◆一言でいうと:一歩引き下がり、自分の内面に広がる世界を大切にするタイプ。
◆該当タイプ:タイプ4、タイプ5、タイプ9
◆スタンス:後退(距離を置く)して、ストレスから逃れようとする。
(引くことで、自分の欲する欲求を手に入れる)
後退型の説明
落ち着いていて、マイペースで思索や空想を楽しむ傾向があります。
他者から気持ちが離れることがあり、自分の世界に退避することがあります。
他者から受ける緊張、ストレスを回避するため、他者や集団と関わらないようにする逃避的な内向的な性格です。
自分が「他人に何も求めない」代わりに、相手に対しても「自分にも何も求めないで」と強い抵抗を示します。
後退型の各タイプの説明
後退型は、基本的には引くこと(後退)して、センターの欲する物を手に入れよう(ストレスから逃れる)とするタイプです。
各タイプのセンターの違いにより、欲する物が異なります。
後退型のタイプを説明する前に、軽くセンターのおさらいをしておきます。
各センターが欲するもの
各センターの欲するものや違いは以下の表のとおりです。
センター | 該当タイプ | 一言でいうと | 求めるもの | 潜在的 感情 | 時間軸 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|---|
本能(ガッツ) センター | T8:挑戦する人 T9:平和をもたらす人 T1:改革する人 | 本能で働くタイプ。 | 自立、 境界、 コントロール | 怒り | 現在、 今この瞬間 | 「自立、境界、コントロール」を得るため、周囲をコントロール、抵抗しようとする。 ストレスがかかると、動くことをしようとしがちです。 |
感情(ハート) センター | T2:人を助ける人 T3:達成する人 T4:個性的な人 | 心で感じるタイプ。 | (人からの) 関心 | 恥 | 過去、 イメージ | 「(人からの)関心」を得るため、自己イメージに固執する。 ストレスがかかると、自分の気持ちを優先しようとしがちです。 |
思考(ヘッド) センター | T5:調べる人 T6:忠実な人 T7:熱中する人 | 頭で考えるタイプ。 | 安全、 安心 (不安の解消) | 不安 | 未来、 理屈 | 「安全、安心」を得るため、戦略,、信念、理屈に思考をむける。 ストレスがかかると、考えることをしようとしがちです。 |
各センターの力の向きと分類
各センターの力の使い方の方向のパターンを説明します。
力が「外向き」、「内外向き」、「内向き」の3パターンがあります。
各力の向きのパターンと力の使い方は、以下の表のとおりです。
タイプ | センター | センターの 力の向き | 説明 |
---|---|---|---|
T8 | 本能(ガッツ) センター | 外向き 自⇒他 | 「自立、境界、コントロール」を維持するため、外に力を向ける。 ※他人に力を向け、力の行使でコントロールを図る。 |
T9 | 本能(ガッツ) センター | 両向き 自⇔他 | 「自立、境界、コントロール」を維持するため、内、外両方に力を向ける ※自分の平和と外との調和を図る。自分自身の力からは、遠ざかる |
T1 | 本能(ガッツ) センター | 内向き 自⇐他 | 「自立、境界、コントロール」を維持するため、内に力を向ける ※内側に力を抑制する(怒りのパワーをため込む) |
T2 | 感情(ハート)センター | 外向き 自⇒他 | 「(人からの)関心」を維持するため、外に感情を向ける ※人にやさしくし、関心を引く |
T3 | 感情(ハート)センター | 両向き 自⇔他 | (人からの)関心を維持するため、内、外両方に感情を向ける ※自分と他人を比較し、達成を求める。自分自身の感情から遠ざかる |
T4 | 感情(ハート)センター | 内向き 自⇐他 | (人からの)関心を維持するため、感情の内側にこもる ※内側にこもり、空想にふける |
T5 | 思考(ヘッド) センター | 内向き 自⇐他 | 「不安」を解消するため、内側に思考を向ける ※自分の中で理屈で整理する |
T6 | 思考(ヘッド) センター | 両向き 自⇔他 | 「不安」を解消するため、内、外両方に思考を向ける ※人の顔色をうかがう。自分自身の思考から遠ざかる。 |
T7 | 思考(ヘッド) センター | 外向き 自⇒他 | 「不安」を解消するため、外側に思考を向ける ※外の楽しい世界に、思考を向ける。 |
タイプ4:個性的な人(感情センター×後退型)

通常のT4は感情センターに所属しており、エネルギーの向きは、内向きです。
センターの力の使い方としては、以下の表のとおり、「感情センター」の力が強く、「本能センター」の力が弱い状態にあります。
本能センターの力が弱い分、パワー不足を感じていて、その結果行動を行うことが少なくなります。
常にストレスから逃れようと対応も後退的で「心の距離を置く」ような行動を取りがちです。
センター | スコア | 備考 |
本能 センター | 1 | 本能センターのエネルギーは比較的弱く、常に自分の内面に焦点をあて、心の感覚を振り返り、内省をしているため、行動力に欠ける傾向にあります。 |
感情 センター | 3 | 自分の内面にユニークさやオリジナリティといったイメージ像があります。 過去の楽しかったイメージや人と違っていたり、できなかったりした場合に嫉妬の感情を抱いたり、自己憐憫を行ったりと、心の中のアップダウンがとても激しいのが特徴です。 ちょっとした人の優しさに触れた時に、もの凄い感動したり、天気が悪かったり、ちょっとした些細なことでも自分の気分を害したり、と心のアップダウンが激しい傾向にあります。 |
思考 センター | 2 | 心のアップダウンは激しいですが、繊細なイメージから思考センターのエネルギーを有効的に活用し、論理的に自分のオリジナリティや独自性がある思考を組み立てる傾向にあります。 |
後退(心の距離を置く)について
後退型のT4はセンターが欲する「(人からの)関心」を「心の距離を置く」ことによって得ようとします。
特定の場において、「自分とは関係ない」と世界との関わりから離れ、想像の世界に身をおこうとします。
自分には、関係ない・・・
よそよそしく、つんとして、謎めいた行動をとる。
⇒誰かがやってきて、構ってくれる、助けてくれるに違いない。
※助けてくれれば、ラッキー。心の平穏を乱されたくない。。。
タイプ5:調べる人(思考センター×後退型)

通常のT5は思考センターに所属しており、エネルギーの向きは、内向きです。
センターの力の使い方としては、以下の表のとおり、「思考センター」の力が強く、「本能センター」の力が弱い状態にあります。
本能センターの力が弱い分、パワー不足を感じていて、その結果行動を行うことが少なくなります。
常にストレスから逃れようと対応も後退的で「心の距離を置く」ような行動を取りがちです。
センター | スコア | 備考 |
本能 センター | 1 | 本能センターのエネルギーは比較的弱く、常に自分の内面で思考を振り返り、内省をしているため、行動力に欠ける傾向にあります。 |
感情 センター | 2 | 自分の感情は、あまり顔色に出しませんが、人の感情の動きを理屈として、捉えて把握しています。 パワー不足な自分が、行動を起こせば、失敗して恥をかくかもしれないと負の感情も理解しています。 |
思考 センター | 3 | 不安に立ち向かうため、アタマはいつも思考し、不安を払拭するための可能性を探っています。 理屈が分かると、その不安は現実的に小さくなるので、別の不安の対処を次から次に考え、知識を内側に蓄えます。 |
後退(心の距離を置く)について
後退型のT5はセンターが欲する「安全」を「心の距離を置く」ことによって得ようとします。
特定の場において、「自分とは関係ない」と世界との関わりから離れ、想像の世界に身をおこうとします。
自分には、関係ない・・・
自分には関係ないと思いながらも、少し離れて傍観し、全体を観察している。
⇒他人から離れていれば、安全だろう。
※自分も求めないから、私にも期待しないで。。。
タイプ9:平和をもたらす人(本能センター×後退型)

通常のT9は本能センターに所属しており、エネルギーの向きは、両向きです。
タイプ9は「自立」の感覚が非常に強く、争いや自分のテリトリーを冒されることを最も嫌うタイプです。
自分の平和を守るため、遠慮しがちな行動を取っています。
他の後退型のT4やT5とは違い、平穏は自分一人では作ることができないと本能的に感じているため、人と共に行動はしますが、過度な主張や行動は行わず、一定の距離を保とうとします。
センター | スコア | 備考 |
本能センター | 3 | 感情センターと思考センターのエネルギーをバランスよく使うことに注力するので、本能センターのエネルギーを使い、行動するということが疎かになります。本能センターにいながら、パワフルさや行動力に欠け、穏やかなイメージを人に与えます。 |
感情センター | 1.5 | 感情センターと思考センターのエネルギーをバランスよく使い、人からの関心を欲し、人を気遣うやさしい行動が行えます。ただし、本能センターの力が上手に使えないため、理解はしていても、通常、行動力は欠けています。 |
思考センター | 1.5 | 感情センターと思考センターのエネルギーをバランスよく使い、論理的に考えた行動を行います。ただし、本能センターの力が上手に使えないため、理解はしていても、通常、行動力は欠けています。 |
後退(心の距離を置く)について
後退型のT9はセンターが欲する「自立、コントロール」を「引き下がる」ことによって得ようとします。
特定の場において、「ストレスから遠ざかるため」、外界から気持ちが引いた状態で、頷いたり、相手に合わせたり、人に合わせる行動をする等をして、ストレスから遠ざかる。
自分には、関係ない・・・
※頷いたり、相手に合わせたり、ニコニコしたりする。
⇒自分の空間を持つために、遠慮しよう。
(引き下がって、発言しなければ平和でいられる)
最後に
さて、後退型のタイプ(T4、T5、T9)をみて、後退型はこんな感じというイメージはつきましたか?
同じ後退型でも、センターの違いによって、行動や振る舞いなど異なるものになります。
9PCM(9つの性格と動機)を通じて他人の性格タイプを理解することで、コミュニケーションの質を向上させることができます。
他人の行動や思考の背後にある動機やニーズを理解し、より効果的なコミュニケーションを築くことができます。
自分のタイプだけでなく、他人のタイプを知ることで、ストレスへの対処法や冷静な判断ができるようになります。
自身のストレス反応や不健全な行動パターンを認識し、より建設的な方法でストレスを管理することもできます。
9PCMを学んで自身の欲求やニーズを把握することで、より意味のある目標が設定できるようになり、自己モチベーションを高めることができます。自身のタイプに合わせた活動や環境を選ぶことで、より充実した人生を送ることができます。
9PCMは、人間関係や個人の成長に関する理解を深めるためのツールとして役立ちます。
ただし、タイプは一つの枠に固定されるものではなく、個人の成長や状況によって変化することを忘れないようにすることも大事です。
9PCMを学んで、人間関係に活かしてみてはいかがでしょうか。